オカメインコの【さし餌】の作り方・与え方

約8分
オカメインコの【さし餌】の作り方・与え方

こんにちは、BirdyCocoです。

オカメインコのヒナの『さし餌』について説明します。

簡単ですが、動画も撮ってみました(*^_^*)

オカメインコの挿し餌が必要な時期

オカメインコのヒナへの挿し餌は、生後50日~2か月半くらいの期間です。一人餌へ切り替わるタイミングは個体差があります。個体差があるとはいえ、生後2ヶ月で卒業できるように促したいものです。

自力でシードを食べ、お水を飲めて体重をキープできるようになる(一人餌)までは、挿し餌が必要です。

オカメインコのヒナにあげる餌は?

雛の挿し餌には、フォーミュラーというパウダー状のものをお湯に溶いて与えます。

フォーミュラーには何種類かありますが、特段どれがいいというのはないと思いますが、雛によって合う合わないがありますのでBirdyCocoでは何種類かのパウダーフードを常備しています。

一般的に販売されていてコスパも良いのは、『ケイティ社のイグザクトフォーミュラー』だと思うので、利用しているブリーダー、ペットショップも多いと思います。お迎え時、どこのメーカーのフォーミュラーを使っているのか聞きましょう

雛の中には、フォーミュラーが変わることで食べない、食べが悪いという子もいますので、できる限り同じものを継続してあげるようにすると良いです。


粟玉は不要

昔インコを育てたことがある人から「粟玉<あわ玉>でも良いですか?」という問い合わせをいただくのですが、現在、オカメインコの雛を育てるときはパウダーフードを使用し、粟玉は入れません

もし、お迎え先で粟玉を食べさせていたとしたら、お迎え後は粟玉ではなくフォーミュラーに変更することをおすすめします。理由は、粟玉だけではビタミン・カルシウムなどの栄養が不足し具合が悪くなってしまうリスクがあるからです。

準備するもの

  1. 雛用のフォーミュラー(パウダーフード)
  2. 湯せん用の器
  3. 挿し餌を作る器
  4. スプーンまたはシリンジポンプ
  5. 温度計
  6. お湯


挿し餌の作り方

一度、沸騰させたお湯を60℃程度まで冷まします。熱いお湯で作ってしまうと、雛に必要な栄養成分が分解されてしまうため。

器にフォーミュラーを入れ、さらにお湯を入れ溶いていきます。ダマが残らないようにかき混ぜ、40℃~42℃になったら雛に与えていきます。

出来上がりの濃さは、コーンポタージュくらいのドロドロ感と言われていますが、使用するフォーミュラーの説明通りに作りましょう。

挿し餌のあげ方

あげる時は、雛が前のめりにならないようにし、くちばしを上に向け、上からそのうに流し込むようにして食べさせます。親鳥は雛のくちばしを上からロックするようにして与えます。鼻の穴に挿し餌が入らないようにします、もしついてしまったら、ティッシュで拭います。

あげる時の注意点 ①『温度』

※挿し餌を与える時の温度は、40℃~42℃。

温度が高すぎると、【そのう】を火傷してしまい、逆に温度が低すぎると【食滞】の原因になると言われています。【そのう】や【食滞】と言う言葉ですが、インコなどの鳥を飼ったことのない方には聞き慣れない言葉だと思います。食滞については、下記の別項目で説明します。

人肌の温度・・勘でやる方もいますが意外と自分が思っているより、温度が低かったり高かったりしてしまうので、特に初めての方は、温度計を使ってきちんと温度を測りましょう。

最初、挿し餌を作る時も温度は重要でしたが、あげる時も冷めないよう湯煎をしながら40℃~42℃を保ちます。冷めて温度が下がると、食べが悪くなったりします。中には、上記の温度でも食べが悪い子がいますが、そんな子にはもう少し高く43~44℃くらいで食べさせてみると食べてくれることがあります。熱つくしすぎないよう気をつけてください。

あげる時の注意点 ②『濃さ』

フォーミュラーの濃さも重要です。基本は、与えるフォーミュラーの説明に記載されている濃度で作り与えます。

お湯が多めだと、濃度が薄く必要な栄養が十分に取れない可能性があります。

あげる量はどのくらい?

基本的には、本人が欲しがるだけ与えます。そのうが8割くらいという本もありましたが、8割と言われてもよくわかりません・・・また、体重の10%と記載されている飼育本もあります。

中には、とめどなく欲しがり食べることもいます。私の経験上、余裕で20g食べてしまう子がいましたが、獣医師にあげ過ぎなので、せめて15~18gにした方がよい、とのことでした。大半の子は、10~15gを一回に与えています。

あげる時間は?

何時と決まりはなく、飼い主の生活スタイルに合わせ、必要挿し餌回数に応じて時間を決めてよいと思います。

上手にあげるコツ

オカメインコのヒナは、ご飯を食べる時とても力強く食べます。勢いよく食べたり、一回の量が多いと口周りや胸の部分にご飯が流れてしまい、羽が汚れます。

雛が誤嚥しないよう、かつ羽が汚れないようにするには、一回の量を多くし過ぎないで雛のくちばしがスプーンから外れないようにすることが大切です。

スプーンから外れないように、しっかりスプーンを持ち、雛の頭部があまり揺れ動かないよう軽く抑えると割と上手に与えることができます。

【食滞】について

そのうというのは食べた物を一時的に保管し、胃に送る器官のことです。

食滞は餌を上手く胃に送れない病気で、そのうにご飯がパンパンに入っている状態でも胃や腸にご飯が行かないため雛は空腹でいつまでもご飯を欲しがるという状況になります。ひどい食滞になってしまうと、栄養失調で落鳥してしまいますので注意しましょう。

そのうに餌が入っているうちに追加の挿し餌をするのは通常よくないので、そのうが小さくなっているか確認してから挿し餌を与えます。

獣医師によっては完全に『空(から)』になってから与えるようにしてください、という獣医師もいます。BirdyCocoでは、そのうのふくらみを確認しつつ、小さくなっていたら全く空の状態でなくても健康な子には、時間で挿し餌を与えています。昼間は、完全空になっていない状態でも追加しますが、その分、夜はしっかりその日の挿し餌がお腹に行くよう調節し、朝にはそのうがぺったんこになるようにしています。

そのうが完全に空になってから餌を与えることに否定はしませんが、慣れていないとそのうが空の判断がつかないで、雛を飢えさせてしまう危険性もあるため、判断が難しい場合は雛の催促に合わせてください。

そのうの変化を見極めることが難しい人は、必ず体重を測定し体重の増減で挿し餌をするか決めます

餌を与えて数時間経過しても、そのうに変化がない・体重が減らない場合は、食滞を起こしている可能性があるので、すぐに保温し、それでも変化が見られない場合はすぐに病院受診をするようにしてください。

挿し餌を食べてくれない時の対処方法

お迎えした日は、雛も緊張しているので食べない子もいます。無理に食べさせようとせずに、しっかり保温して静かに寝かせます。お腹が空けば食べるようになると思います。しかし、次の日も食べないとなると強制給餌が必要になってくるので・・小鳥を診れる動物病院へ連れて行ってください。

いつもより食べが悪いと感じる時は・・・

  • 挿し餌の温度を少し高くする
  • 30℃でしっかり保温する
  • 挿し餌の濃度を薄くしてみる
  • フォーミュラーを変えてみる
  • ジャージャー鳴きの動画を見せる

上記などを試みても食べない時は、ほかに病気になっている可能性もありますので動物病院へ受診させましょう。

【レクチャー】お迎え時、挿し餌のレクチャーしています

オカメインコに挿し餌をしたことがない、または、随分昔のことで忘れてしまった等、不安な方へ挿し餌のレクチャーをしております。

ご希望の方は、ぜひご相談ください。

今は、スマホで簡単に動画録画ができるのでみなさんに動画で記録してもらって、家に帰って挿し餌をする時、参考にしてもらえるようにしております。

パウダーフードや挿し餌道具の販売

雛にあげるパウダーフードや道具が変わると、食べなくなる雛が稀にいます。

環境が変わり不安な雛にできる限り同じ状態であげたいので、できる限り同じものをそろえてもらえるといいかなと思います。当方でも、フォーミュラーとスプーンを販売しています。フォーミュラーは雛の成長具合をみて、必要だと思われる量を量り売りしています。

◇◆ おわりに ◆◇

雛の挿し餌は大変ですが、雛時期だけの特別なお世話。ジャージャーと鳴く姿はとても愛らしいです。

ぜひ、経験してみてください(*^_^*)

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